ビジョントレーニング!?シャッターゴーグル(ビジョナップ含)の効果と使用する落とし穴?

こんにちは!VTBaseの小松です!

 

眼と身体の関係性って深くて面白い世界!

 

感覚の統合というカテゴリーでも視覚は着目されている分野(眼と身体)です!

 

さて、マツコの知らない世界で放送された「シャッターゴーグル」

 

ビジョントレーニングでも使用されていて、先行研究でも実験に使用されたりします。

 

様々な論文を引用しながら「シャッターゴーグル」についてお話します。

 

シャッターゴーグルとは、レンズが透明と真っ暗(視界不良)を交互に点滅させるものです。ようは、見えたり見えなかったりが等間隔のリズムで行われます。
リズム速度は変更可

例えばキャッチボールを行い捕球する側とします。
遮る、見えるを繰り返すことにより、ボールの軌道などが合間合間遮られるので軌道を予測しないとキャッチが困難になります。昔で言う大リーグボール(巨人の星)的な感じです笑。この予測学習を行うことでフィードフォワード機能(予測して次の行動を決定する)を向上させることが期待できるというものです。

動体視力を向上させるの?と思ってしまいますが、残念ながら野球などボールの速度が早いスポーツは動体視力ではボールは打てません・・・。

 

すごく画期的な道具に見えますが、実は落とし穴もあります。

 

効果は如何ほどのものか。

 

まず、先行研究(野球)では、古のビジョントレーニング(ビジョンセラピー)と、最新のビジョントレーニング(シャッターゴーグルも含む)を比較していました。

 

最新のビジョントレーニングの方が打撃練習時のパフォーマンスが上がったとしています。向上は認められた(Liu,2020)としています。

 

しかし・・・。練習時のパフォーマンスだけ向上したとしています。練習時だけ・・・。練習時だけ・・・。だけ・・・。⇐しつこいw

 

また、今回の違和感はもう一つ「古のビジョントレーニング」は基本、机上で行えるものばかりであることです。他の先行研究では、机上で行うビジョントレーニングは認知機能を向上させるが運動パフォーマンスは向上させない(Formenti,2019)としており、すでに結果に差が出るとわかった条件で行っているのです。

わかったことを研究するというものは、結果としてはイマイチですね。。。

 

さて、シャッターゴーグルについてどのような人が使用を控えたほうがいいのか。

 

両眼が等間隔のリズムで遮蔽されてしまう条件ですので、以下の状況に該当する人は注意が必要です。

●左右の視力差がある。不同視含む
●屈折異常(近視や遠視、乱視など)を矯正していない。視力が0.7以下も含む
●眼位異常(斜位についてはこちら
●調節不全や輻輳(寄り目)不全、開散(反り目)不全

これらに問題なく、すべて正常であるか評価することをまずはじめに行う必要があります。眼の状態が悪ければ、シャッターゴーグルは大きなマイナス状況を呼び込んでしまいます。

 

例に一つ挙げるとすれば、左右の視力差がある人は、よく見える眼を多く使用するように促してしまう可能性があります。負荷の大きい環境は、その環境をクリアしようとスキルを身に着けてしまい代償が起きます。それは、良い環境とは言えません。子どもは眼の発達段階なので使用は細心の注意が必要です。

 

イギリスのアスリートを対象に行なった視覚研究では、詳細なアセスメントを取っている研究は未だ無い(Jorge,2019)としており、スポーツビジョンの研究は視力測定や眼球運動の評価だけで終わってしまい、眼位や屈折異常などを含む詳細なデータを取らないまま進めている現状があります。

そして、他の研究でも眼位(斜位など)、屈折異常など詳細なデータを取ることが望ましい(Zwierko,2015)と考察しており、未だスポーツと視覚の研究は対象者の眼の状態がぼんやりしたまま行われています。

 

使うと調子がいい!という人も中にはいて、機能が高い人、感覚が優れている人は良い結果となる可能性がありますし、また、カラーレンズや、シャッターゴーグルなど効果に期待できそうだと感じるとプラセボが発生し、一時的な機能向上は起きると思われます。

 

結果。シャッターゴーグルを使用するに適した人は、屈折異常はなく(矯正しても良い)、目の動きに問題もなく、大きな眼位異常もなく、運動機能に問題ない人が使う場合に効果を発揮するといえます。

 

また、私の提案としては、眼の状況をはっきりとさせることで使用することも可能と考えます。

シャッターゴーグルを使うタイミングや、見るという言葉にはいろんな見方が存在しますし、そもそも眼の使い方自体を誤っていることも少なくありません。
まずは眼の現在地を調べることが重要となります。

 

これから着目される分野です。しっかりと自身の現状を把握した上でスポーツを楽しみましょう!

 

*****************************

VTBaseでは、視覚についてのエビデンスをもとに
視覚トレーニングを融合させた新しいトレーニングです。

ぜひお問い合わせください。

 

詳しいビジョンアセスメント(視覚機能チェック)のお問い合わせは、

VTBaseやツァイスビジョンセンターにお問い合わせください。

ビジョンアセスメントトレーナー・体育学修士 小松 佳弘
リンク➔  ◯Amazonにて書籍販売中!!